K:はい。どんどん広がりますね。される事はもう止まらないですね。次から次へと。
土屋さん:次から次へとやりたい事はいっぱいあるし、一方で今丁度30年前のね、俺らがやって来たチベットの旅の見直しをしていて、ずっとホームページで俺が書いて来たでしょ、それこそ30年前の原稿を引っ張り出して来て、それに今、日の目を見させているわけだよ。
K:はい。
土屋さん:今うちのホームページでずっとアップしているけど、やがてこれは1冊の本にしたいし、俺達の青春の記録でもあるから。それと1976年に俺達が学習院大学の探検部としてラダック・ザンスカールへ4カ月行っていた、これの40年後の旅をしたい。
K:ええ。
土屋さん:だからそれは、2016年か。
K:でももうすぐですよね。
土屋さん:一番若くして行ったやつが当時21歳でしょ。そうすると後6年後位だと皆リタイアしているよね。
K:そうですね。
土屋さん:6年後という事は、俺も62、3歳になっている頃、皆そういう歳。だから40年振りに「青春の地」に帰るわけだね。
K:そうですか。本当に楽しみですよね。後6年後ですものね。まだまだ、まだまだ広がりますね。土屋さんの行動が。
土屋さん:それはウイスキーとは関係ないんだけれど、落とし前をつけに1回行かないとね。
K:はい、そうですね。
Q9:それでは最後です。ウイスキーを愛する方々に是非一言お願い致します。
土屋さん:やっぱり「ウイスキーの魅力」って本当に尽きないと思うのね。僕がシングルモルトに出合って今年で20年になるわけだな。本格的にやり始めて。20年経って未だにね、分からない事があるし、未だに知りたい事が山の様にあるし、未だに飲んでないボトルがあって、一生掛かったって飲めるわけないし、本当に魅力って言うのが尽きない、という事を是非ウイスキーを飲まずに、ウイスキーを知らずに人生を終えるのも勝手だけど、一方でこういう面白いものもあるんですよ、という事をもっと多くの人に知って頂きたいなと、それだけの価値がある。俺達が20年やって来て未だにやり続けられているのはそれだけ魅力があるからだと思うし、未だに分からない事があるからだよ。
K:そうですね。でも「はまる」という言い方が良いのか分かりませんが、広がりますものね。
土屋さん:ウイスキーという言葉から色んな風に世界が広がっているじゃない。その広がりがやっぱり面白いと思うので、又ウイスキーがそうさせるのか、あるいはウイスキーが好きになる人の気質なのか分からないけど。
K:そうですね。
土屋さん:わりとウイスキーにはまる人って、物事を突き詰めていきたくなる様な人が多い。
K:多くいらっしゃいますね。
土屋さん:知的好奇心が非常に強いと思っているし、又勿論官能的にもね、美味しいものを追求しようという姿勢も持っているし、それは素晴らしい事なんだと思うよね。それはウイスキーというお酒が「蒸溜酒」という事も理由の1つでね、やっぱりビールだとか日本酒だとかワインにはまる人とどこが違って来るかと言ったら、「醸造酒」って醸造して終わってしまうものが多いけれど、「蒸溜酒」って醸造した後に蒸溜しないといけないよね。蒸溜するという事で又変化が起きてきたりだとか、更に熟成させないといけない。もの凄く長い時間が掛かるのね。醸造酒系より複雑さが出て来る、ウイスキーを一言でいうと本当に複雑系のお酒なので、やっぱりワインは品種だとかヴィンテージだとか、造られているワイナリーによってもの凄い数があるけれども、ウイスキーって、1つのウイスキーの中にお酒の歴史が全て入っているというのかな、そういう魅力なんだと思うんだよね。
K:そうですね。
土屋さん:文化も全て入っている、1本のウイスキーの中にね。
K:そういうウイスキーの魅力を更に...
土屋さん:伝えたいね。
K:伝えたい、知って欲しい、勉強して欲しい。
土屋さん:そうだね、勉強して欲しいね。勉強する場が今迄なかったんで、勉強する場を俺達がきっちりと作っていかなくてはいけないんだろうと思うね。
K:女性の参加率は多いですよね?最近勉強される方は。
土屋さん:多いね。
K:多いですよね。
セミナーを受けられてから、スコッチ文化研究所に入られる方が多いですか?それともお勉強をしたいからスコッチ文化研究所に入られる方が多いですか?
土屋さん:勉強をしたいからスコッチ文化研究所に入るっていう人が多いんじゃないの。だから資格認定を始めてから、スコッチ文化研究所に入る目的は資格認定の為だよね。
それはそれで良い事だと思うし、それはウイスキーについて勉強をしたいという事だからね。俺達もスコッチ文化研究所を立ち上げた時に、ウイスキーをもっと勉強してほしいと思って立ち上げたわけだから。
たんにスコッチ文化研究所がサークル的な飲み会だったら意味がない。それは他でもいっぱいやっているし、俺達はウイスキーの教育をしたい。
K:はい、分かりました。有り難うございます。
私が全て質問させて頂きましたけれど、土屋さんからは何か伝えたい、言っておきたい等あれば教えて頂きたいと思います。
土屋さん:じゃあ、「是非私の本を買って読んで」と言いたい(笑)。
K:それは勿論です(笑)。土屋さん、有り難うございました。
Kaoriの総論
私はスコッチ文化研究所の会員という事もございますから、土屋さんの試飲会やセミナーを通して以前からお話をさせて頂いておりましたが、今回の様にきちんと向き合ってお話をさせて頂きましたのは初めてでございました。何故「土屋さんの今があるのか」を深く知る事が出来、又今後を熱く語って頂いたお姿に、ただただ感動致しました。以前は土屋さんとお話をさせて頂くには難しいお話をしないとと思っておりましたし、実際その様な時もございますが、ですがお会いする度にただ純粋にウイスキーを愛していらっしゃるのだなと感じております。今後はより多くの場に出向かれウイスキーを伝えられるとの事。インタビュー中、私は笑いっぱなしのところもございましたが、それ程土屋さんのお話はとても楽しく引き込まれます。又、インタビューの中に少し出て参りましたが、今後は初心者の方にも分かり易い講習も考えていらっしゃるようでございます。狭き門だと考えてしまいがちなウイスキーの間口を広げられようとされていらっしゃる、今後のご活躍が私達により一層刺激を与えて下さるのでしょう。
こちらの場を借りまして、ご協力頂きました土屋さんをはじめ、スタッフの皆様にお礼を申し上げたいと思います。有難うございました。
※取材協力
スコッチ文化研究所 http://www.scotchclub.org/
※当時のインタビューのまま掲載、移行しております。
但し、こちらでのサイトでの公開は、現在携わっていらっしゃる方のみにしております。
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