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私の好きなウイスキーの世界や、Barでの出来事を通じて、

特に女性に興味を持って頂いたら嬉しいです。

単独インタビュー第6弾 ロングインタビュー 「ウィスク・イー ソサエティ・スペシャリスト兼アドバイザー 元木 陽一さんを迎えて(5)」

K:働かれた蒸溜所は、アランですよね? 

元木さん:アランのビザを持っていたのでアランなんですけれど、1年通して作り続けているわけではないので、ウイスキー自体は。 

K:はい。 

元木さん:だからお休みの時は、スプリングバンクで働いていました。 

K:そうでしたよね。 

元木さん:そこで働いたり、エジンバラのソサエティ本部で働いたりとか。 

K:そこで2年間ですよね。そこで出会いもあり? 

元木さん:面白かったですよ。中々経験出来ないと思うんで。 

K:1番と決めてはいけないのでしょうけれど、蒸溜所での出来事の中でどういう事を思い出されますか? 

元木さん:結構1人で作業している事が多かったので…(考え込まれる元木さん) 。

K:一通りですよね?一通りご自分でされていたのですよね?

元木さん:基本的に所長と私しかいないので。マッシングしている時にスチルも同時に動かします。1つの棟に全ての設備があるので、結構1人で出来ちゃうんですよ。

K:ええ、ええ。 

元木さん:何かな。 

K:蒸溜所で働いていらっしゃった時の事だけではなく出会いでも宜しいですし、美味しかったお食事でも。 

元木さん:ハギスは美味いですね。ハギスは良く食べましたね。蒸溜所のまかないでも。 

K:そうなのですね。 

元木さん:アラン蒸溜所にはビジターセンターもあり、そちらにレストランも入っているので、いつも昼過ぎ位に行って「何にする?」と言われて「ハギスが食べたいんだ」と言うと「昨日も食べたじゃないか」と(笑)。 

K:(笑)。 

元木さん:蒸溜所のレストランのハギスがとりわけ美味しかったので、よく食べましたね。 

K:やはり違いますか? 

元木さん:全く違いますね。日本で食べられないですよ。本場の味のハギスは。 

K:私がたまたま頂いたのは、何処で頂いたのか覚えていませんけれど...。 

元木さん:ボソボソの挽肉みたいのではなかったですか? 

K:はい。 

元木さん:もっとオイリーで、スパイシーで香ばしいです。 

K:そうですか。私はそれ以来ハギスを頂かなくなってしまって。色々あってもどれが本場のハギスなのか分からないですし。

元木さん:向こうで食べるのが本場としか言えません。 

K:そうですよね。 

元木さん:その味に近いのが日本にないんですよね。 

K:そうですか。ハギスをよく召し上がったお店は? 

元木さん: ロックランザ村のブッチャー。ブッチャーって分かります? 

K:いえ。 

元木さん:ブッチャーってお肉屋さんの事なんですけれど、ロックランザの「ヒューイ」というブッチャーが1番美味いですよ。 

K:ええ。 

元木さん:バッドロッジに宿泊するお客様の中で、夕食でハギスを注文される方が多いのですが「これはどこのハギスだい?!こんな美味いハギスは食べた事がない!買って帰りたいから場所を教えてくれ!」とスコットランドの方が言うんです。そういう人が1人や2人ではないんですよ。毎回言われます。「このハギス美味いね」って。 

K:ええ。 

元木さん:私も食べていてそう。ヒューイのハギスが一番美味いよと言うんです。 

K:ええ。 

元木さん:お土産のお勧めは何かないかなと聞かれるので、スコティッシュの人にこれを勧めるのもおかしいんだけれど、「あそこのヒューイのハギスは美味いから買って帰った方がいいよ」と。 

K:いいですよね。たまたまお近くにあったお店で、凄く美味しいものと出合って。 

元木さん:そうですよね。お肉やお魚はいつもそこへ注文してました。真空パックで売っているスモークドマッカレル(鯖の燻製)もよく食べました。 

K:ええ。 

元木さん:大好きでしたねスモークドマッカレル!オーブンで焼くんですけれど、脂が乗ってふっくらしていて、焼きあがったところにホースラディッシュ(西洋ワサビ)をたっぷり塗って食べました。ご飯がバンバン入るんですよ。 

K:美味しそう。 

元木さん:すっごく美味しい。 

K:美味しそう、何だかお腹が空いて来ましたね。

元木さん:島なのにお魚がそんなに売っていないんですよ。売っているとしてもハドック(鱈の一種)トラウト、サーモン、キッパー(ニシンの燻製)ですね。日本のお魚屋さんみたいにたくさんの種類は並んでません。トラウトとかサーモンも名産ですが価格もそれなりに高いんですよ。 

K:はい。

元木さん:でもスコティッシュサーモンは本当に美味しいですね。スペイ川のやつなんて最高に美味しいですよ。 

K:ええ。 

元木さん:大きくて。ああいうのはサーモンステーキで頂きたいですね。 

K:いいですね。 

元木さん:勿論、スモークサーモンも美味しいですけれど、サーモンステーキが美味しいですね。輪切りで。

K:美味しそう。 

元木さん:輪切りの状態でドンと切ったやつを焼くんですよ。ディールとレモンをたっぷり載せて。 

K:美味しそう。更にお腹が空いて来ましたね。 

元木さん:蒸溜所で何が印象が残っているかというと、そのファーストスチル(初溜)を動かして少しする徐々に沸騰してくるわけですよ。泡が上がって来るんです。その瞬間が好きですね。 

K:ええ。 

元木さん:スチルのネック部分の覗き窓の所に泡がふわって上がって来るんですよ。そこでスチームハンドルで加熱量をコントロールしながら、泡がネックの上部まで上がりきらないように調整します。 

K:ええ、ええ。 

元木さん:それをやる瞬間が好きでした。

K:ええ。 

元木さん:加熱の状態で何となく中が分かるんですよ。で、そろそろ来るぞ、スピリッツセーフがパタパタパタパタとなる。あの瞬間がいいですね。 

K:ええ。 

元木さん:揮発したエタノールのような香りが漂って、あの瞬間は凄くいいですね。 

K:見た事があるので、分かります。 

元木さん:ファーストスチル、初溜釜のネックに小窓が付いているの分かりますか? 

K:はい。 

元木さん:泡を見て、スチームの加熱量を調節する時に確認する窓なんですね。 

K:そのシーンが? 

元木さん:印象的ですね。 

K:有り難うございます。(6へ続く) (4へ戻る)


※当時のインタビューのまま掲載、移行しております。

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